○談合情報対応事務処理要領
平成14年4月5日
決裁
第1 一般原則
1 情報の確認
入札に付そうとする工事等について、入札談合に関する情報(以下「情報」という。)があった場合は、当該情報の提供者の氏名、連絡先等を確認のうえ「談合情報報告書」(以下「報告書」という。)(別記様式第1号)にまとめ、直ちに工事等の入札を所管する公正入札調査委員会(当面、芳賀中部上水道企業団建設工事等入札指名業者選考委員会が兼ねるものとする。以下「調査委員会」という。)の事務局へ通報することとする。
情報提供者が報道機関である場合には、報道活動に支障のない範囲で情報の出所を明らかにするよう要請することとする。
なお、新聞等の報道により入札談合に関する情報を把握した場合にも、調査委員会の事務局(以下「事務局」という。)へ通報することとする。
2 報告
事務局は前記1により情報を受けた場合には、その情報の内容を速やかに調査委員会の委員長に報告することとする。
なお、事務局が新聞等の報道により情報を把握した場合も、報道に基づき報告書にまとめ報告することとする。
3 調査委員会の招集及び審議
(1) 調査委員会の委員長は、前記2により事務局からの報告を受けた場合は、調査委員会を招集し第2以下の手続きによることが適切であるか否かについて審議することとする。
(2) 調査委員会の委員長は、事情聴取を行った場合はその聴取内容について審議することとする。
4 企業長への報告
調査委員会の委員長は、情報を把握した場合及び事情聴取等の対応結果について企業長へ報告することとする。
5 公正取引委員会等への通報
企業長は、次のような場合、必要に応じて公正取引委員会並びに警察本部に通報することとする。
(1) 審議した結果、情報に信憑性がある場合
(2) 事情聴取をした場合
6 報道機関等への対応
情報を把握した以降において、報道機関等から発注者としての対応についての説明を求められた場合には、調査委員会の事務局長が対応することとする。
第2 具体的な対応
情報があった場合には、原則として次により対応することとする。
なお、詳細な事務手続等は、第3により行うこととする。
1 情報が次の場合には、事情聴取等必要な調査を行うこととする。
情報提供者の氏名(匿名でも可)、連絡先、対象工事名及び落札予定業者名(JVの場合は代表者名でも可)が明らかであり、更に次のような情報が含まれている場合
・ 談合に関与した業者名が明らかであること。
・ 談合が行われた日、場所及び具体的な談合の方法が明らかであること。
・ 落札予定金額を示していること。
・ その他談合に参加した当事者以外に知り得ない情報があること。
なお、情報の信憑性が希薄であり事情聴取等を行わないと判断した場合であっても、入札に際しては、「入札執行後に談合の事実が明らかと認められた場合には、入札を無効とする。」旨の警告をした後に入札を行うこととする。
2 事情聴取
入札に参加しようとする者(以下「入札参加者」という。)全員に対して速やかに事情聴取を行うこととする。
事情聴取は入札までの時間、発注の遅れによる影響等を考慮して、入札日の前日までに行うか、または入札開始時刻の繰り下げ、入札の延期等を行った上で行うこととする。
3 談合の事実があったと認められる場合の対応
事情聴取等の結果、明らかに談合の事実があったと認められる場合には、「芳賀中部上水道企業団建設工事等執行規則」第6条により、入札の執行を取り止めるものとする。
4 談合の事実があったと認められない場合の対応
(1) 事情聴取の結果、談合の事実があったと認められない場合には、すべての入札参加者から誓約書(別記様式第3号)を提出させるとともに、入札の際には、「入札執行後に談合の事実が明らかと認められた場合には、入札を無効とする。」旨の警告をした後に入札を行うこととする。
(2) この場合、必要に応じてすべての入札参加者に対して、第1回目の入札に際し工事費内訳書を提出させることとする。
(3) 入札には積算担当者(当該工事の積算内容を把握している職員)が立会い、工事費内訳書の確認をすることとする。
(4) 工事費内訳書の確認において明らかに談合の事実があったと認められる場合には、前記3により対応することとする。
5 条件付き一般競争入札の場合の留意点
条件付き一般競争入札の場合は、競争参加資格があると認められた者を公表しておらず、競争参加資格があっても入札するか否かは明らかでないため、入札日において入札に参加するために入札会場に集合した者を対象として前記2に従い対応することとする。
6 入札執行後に談合情報を把握した場合
入札執行後に談合に関する情報があった場合には、入札後においては入札結果等を公表していることから、以下の手続きによることが適切か否かを第1の3により判断することとする。
(1) 契約締結(仮契約を含む。)以前の場合
① 事情聴取
入札を行った者全員に対して事情聴取を行うこと。
② 談合の事実があったと認められる場合の対応
事情聴取等を行った結果、明らかに談合の事実があったと認められる場合には、「芳賀中部上水道企業団建設工事等執行規則」第7条により当該入札を無効とすること。
③ 談合の事実があったと認められない場合の対応
事情聴取等を行った結果、談合の事実があったと認められない場合には、入札を行った者全員から誓約書(別記様式第3号)を提出させた上、落札者と契約を締結すること。
(2) 契約締結(仮契約を含む。)以後の場合
① 事情聴取
入札を行った者全員に対して事情聴取を行うこと。
なお、事情聴取を行った結果、談合の事実があったと認められる場合には、工事の進捗状況等を考慮して、契約を解除するか否かを判断すること。
7 企業長への報告
前記2から4までの対応をとった場合は、調査委員会の委員長は別記様式第2号により企業長に関係書類を添えて報告することとする。
第3 手続の手順等
第2に定めるもののほか、次に掲げる事項にも留意して行うこととする。
1 報告書
(1) 入札談合に関する情報に係る通報を受けた者は、情報の内容を報告書(別記様式第2号)にまとめ事務局に提出すること。
(2) 公正取引委員会及び警察本部への通報等は、別記様式第4号により行うこと。
なお、通報等の内容について公正取引委員会等からの問い合わせに的確に対応できるように整理しておくこと。
(3) 公正取引委員会等へは、調査委員会で審議した結果に基づき、必要に応じて「事情聴取書」、「誓約書」及び「入札結果一覧」の写し等を送付すること。
なお、事情聴取から入札までの手続等を引き続き行う場合には、終了後にまとめて送付することができる。
2 事情聴取の方法等
(1) 事情聴取は、調査委員会で指名した複数の職員により行うこと。
(2) 事情聴取は、事情聴取の対象者全員に対して、個別に聴き取りを行うこと。
3 誓約書の提出等
(1) 誓約書については、公正取引委員会へ送付する旨を事情聴取の対象者全員に対して説明をした上で、提出させること。
(2) 「入札執行後に談合の事実が明らかと認められた場合には入札を無効とする。」旨の注意を促す場合は、文言を読み上げること。
4 工事費内訳書の確認
(1) 工事費内訳書の提示を求めた場合は、入札に際し積算担当者(当該工事の積算内容を把握している職員)が立会うこと。
(2) 工事費内訳書は第1回目の入札に際して提示を求め、談合の形跡の有無について入念に確認し、入札終了後に返却すること。
(3) 事情聴取及び工事費内訳書の確認を迅速に行う必要がある場合は、事情聴取と工事費内訳書の確認を並行して行うことができるものであること。
5 報道機関等の対応
報道機関等への対応は、原則として調査委員会の事務局長が行うこととするが、特に必要がある場合は、委員長が指名した職員が当たることとする。
附則
この要領は、公布の日から施行し、平成14年4月1日から適用する。