○芳賀中部上水道企業団情報公開条例
令和5年2月27日
条例第3号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 公文書の開示(第5条―第16条)
第3章 審査請求(第17条―第20条)
第4章 情報公開の総合的な推進(第21条―第22条)
第5章 補則(第23条―第27条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨にのっとり、公文書の開示を請求する権利及び芳賀中部上水道企業団(以下「企業団」という。)の情報公開の総合的な推進に関する事項について定めることにより、企業団が企業団運営に関し住民に説明する責務を全うするとともに、住民の企業団運営への積極的な参加を推進し、もって一層公正で開かれた企業団運営の実現に寄与することを目的とする。
(1) 実施機関 企業団の企業長(以下「企業長」という。)、監査委員及び議会をいう。
(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書及び図面(これらを撮影したマイクロフィルムを含む。)並びに電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。
(3) 開示 実施機関が、この条例の規定により、公文書を閲覧に供し、又はその写しを交付することをいう。
(条例の解釈及び運用)
第3条 実施機関は、公文書の開示を請求する権利が十分に保障されるようこの条例を解釈し、運用するものとする。この場合において、実施機関は、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。
(適正な請求及び使用)
第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を請求しようとするものは、この条例の目的に即し、適正な請求をするとともに、公文書の開示を受けたときは、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。
第2章 公文書の開示
(開示請求権)
第5条 次に掲げるものは、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関の保有する公文書の開示(第4号に掲げるものにあっては、そのものの有する利害関係に係る公文書の開示に限る。)を請求することができる。
(1) 企業団の水道の利用者又は管理人若しくは給水装置の所有者
(2) 企業団の水道を利用する事務所又は事業所に勤務する者
(3) 企業団の水道を利用する学校に在学する者
(4) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に利害関係を有する者
(開示請求の手続)
第6条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)をしようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求書(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事務所の所在地並びに法人又は法人でない社団若しくは財団にあってはその代表者又は管理人の氏名
(2) 公文書の名称その他の開示請求に係る公文書を特定するために必要な事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項
2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「不開示情報」という。)が記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書の開示をしなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により開示をすることができないとされている情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図面若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。次条第2項において同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、当該個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示をすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員法等の職、氏名及び当該職務遂行の内容に係る部分
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示をすることが必要であると認められる情報を除く。
ア 公開することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(4) 国の機関、独立行政法人等、他の地方公共団体の機関又は地方独立行政法人(以下「国の機関等」という。)からの協議、依頼等により作成し、又は取得した情報であって、開示することにより、国の機関等との協力関係を著しく害するおそれがあるもの
(5) 実施機関内部若しくは機関相互間又は実施機関と国の機関等との間における審議、検討、調査等(以下「審議等」という。)に関する情報であって、開示をすることにより、当該審議等又は同種の審議等に著しい支障が生ずるおそれがあるもの
(6) 実施機関又は国の機関等が行う検査、争訟、交渉、入札、試験その他の事業事務に関する情報であって、開示をすることにより、当該事業事務若しくは同種の事務事業の実施の目的が失われ、又はこれらの事業事務の公正若しくは適切な遂行を著しく困難にするおそれがあるもの
(7) 開示をすることにより、人の生命、健康又は財産の保護、犯罪の予防その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報
(公文書の部分開示)
第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、当該情報が記録されている部分を容易に区分することができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示をしなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(公益上の理由による裁量的開示)
第9条 実施機関は、開示請求に係る公文書に不開示情報(第7条第1号に該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認められるときは、開示請求者に対し、当該公文書の開示をすることができる。
(公文書の存否に関する情報)
第10条 開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報の開示をすることとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第11条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部の開示をするときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し実施機関が定める事項を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部の開示をしないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(1) この条の規定を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限
(第三者保護に関する手続)
第14条 開示請求に係る公文書に企業団、国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人及び開示請求者以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る公文書の名称その他実施機関が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により開示しようとするとき。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該公文書の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、当該意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。
(公文書の開示の実施)
第15条 公文書の開示は、文書又は図面については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による公文書の開示にあっては、実施機関は、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
2 開示決定に基づき公文書の開示を受けるものは、実施機関が定めるところにより、当該開示決定をした実施機関に対し、その求める開示の実施の方法その他の実施機関が定める事項を申し出なければならない。
4 開示決定に基づき公文書の開示を受けたものは、最初に開示を受けた日から30日以内に限り、実施機関に対し、更に開示を受ける旨を申し出ることができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
(費用負担)
第16条 この条例の規定による行政文書の開示に係る手数料は、無料とする。
2 公文書の開示により写しの交付を受けようとする者は、規則で定める費用を負担しなければならない。
第3章 審査請求
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第17条 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。
(審査請求があった場合の手続)
第18条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく、芳賀中部上水道企業団情報公開及び個人情報保護審査会条例(令和5年芳賀中部上水道企業団条例第4号)に規定する芳賀中部上水道企業団情報公開及び個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問しなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下するとき。
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとするとき(当該公文書の開示について反対意見書が提出されているときを除く。)。
2 前項に規定する諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
3 第1項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問庁」という。)は、審査会から当該諮問に対して答申があったときは、これを尊重して、遅滞なく、当該審査請求に対する裁決を行わなければならない。
(諮問をした旨の通知)
第19条 諮問庁は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この条及び次条第2号において同じ。)
(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
第4章 情報公開の総合的な推進
(企業団の責務)
第21条 企業団は、情報公開の総合的な推進を図るため、第2章に定める公文書の開示のほか、住民が企業団運営に関する情報を迅速かつ容易に得られるよう、情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。
(情報の提供に関する施策の充実)
第22条 実施機関は、企業団運営に関する情報を分かりやすく記載した資料の作成及びその提供に努めるとともに、その保有する情報を住民に積極的に提供するよう努めなければならない。
2 実施機関は、その行う主要な事業の計画及びその進捗状況に関する情報の公表に努めなければならない。
第5章 補則
(公文書の適正な管理)
第23条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理するものとする。
(運用状況の公表)
第24条 企業長は、毎年、各実施機関におけるこの条例の運用状況について、公表しなければならない。
(他の制度等との調整)
第25条 法令等の規定により、実施機関に対して公文書の閲覧若しくは縦覧又は公文書の謄本、抄本その他写しの交付を求めることができる場合における当該公文書の閲覧又は写しの交付については、当該法令等の定めるところによる。
(適用除外)
第26条 この条例の規定は、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第53条の2に規定する訴訟に関する書類及び押収物については、適用しない。
(委任)
第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に、芳賀中部上水道企業団個人情報保護法施行条例(令和5年芳賀中部上水道企業団条例第2号)附則第3条の規定による廃止前の芳賀中部上水道企業団情報公開及び個人情報保護に関する条例(平成14年芳賀中部上水道企業団条例第13号。以下「旧条例」という。)第5条の規定による請求がされた場合における旧条例に規定する情報の公開については、なお従前の例による。